さて、俺様がえげれす演劇界に上乗せしてヅカ〜、ヅカ〜と言うておりますと、日本人補習校のクラスメイトの母者が昔、ヅカファンで、俺様があまりにもヅカ〜ヅカ〜と喚き散らしているので影響されて母子共々またハマってました。クラスメイトさんはカリンチョのファンでしたけんども、その母者はなぜか涼風、いやカナメに憑依されてしまいましたので、俺様は確か別に気に入らない月組公演のVHSは皆あちらに流したような気がいたします(死)。妹もカリンチョ好きだったなあ。
しかしあの時はトップさんにはなんか統一感があったので、まんべんなく見てたような気がします。あの頃のトップさんは皆(カナメを省いて)、今は大先輩となったジェンヌさんのすぐ後を継いだ人たちじゃありませんでした?ターコさん→カリンチョ、大地真央さん→ウタコさん、峰さを理さん→ネッシーさん、高汐巴さん→ナツメさん、みたいな。それに加えて、マジ大物になられた方々のやった「ベルばら」のリバイバルでしょー?(爆笑)
連帯感ありすぎやっちゅーねん。
確かナツメさんなんか昔、星組でネッシーさんと一緒に瀬戸内美八さんのサヨナラ「オルフェウスの窓」とかに出てましたよねー。抱腹絶倒でしたがな。(笑うな!)
まあとにかく、そんな統一感のあるスターさんたちでしたので、退団時期もかなり連続しまして、まずウタコさんはもうベルばら前に退団されてるんですが、続いてナツメさん、ネッシーさん、カリンチョさん、カナメ、と皆さん順番にキッチリ見送らせて頂きましたよ、海外でね!ホンマ有難いことに立て続けに退団しやがって。お陰様でナツメさんのサヨナラ「ジャンクション24」はビデオ録画できてないわ、ネッシーさんはネアカに退団しやがるわ(この人、サヨナラCDでも遊んでましたYO!)、カリンチョは「忠臣蔵」で泣かせるわ(しかも旧大劇場はこの公演が最後)、カナメの後が天海祐希ちゃんだったのにファンは浮き足立つわ、もうエライことでした。今はもう「持っていても仕方ないしなー」というか、昔のトップさんのCDとかで今入手困難なものは真剣に入手困難だしその「買いそびれた」とかいう悔しさとか悲しみはよく判るんで、真にファンであった人にお譲りしよう、とナツメさんやカリンチョさんのサヨナラCD(あのブックレット式になっとるやつです)とかは他の人に譲ってしまいました。でもネッシーさんやウタコさんのはガッチシ持ってます。なんでこうやたらとCDを持っていたかといいますと、父者が一年に一度必ず日本に帰るので、その時に無理矢理、メモを持たせて阪急百貨店に出向させておったからです。(今みたいにグランドビルに専門店があるんじゃないんですYO、父者に聞くと阪急にそういうコゥナーがあったらしいですYO)。他、自分が一時帰国したときはCD屋で好きなだけ買って帰ったり、大劇場行った時はもうそれこそ破産するんじゃないかちゅーくらい本とか買って行きました。それに加えて周りのヅカファンの方々に頂いたものなど、数知れずウチにはあるはずになってます。(どこに?と言われると困るんだが)。
大劇場では「これは珍品だろう」というネッシーさんとナツメさんのアンドレ役ポートレートポスターを買いまして、イングランドの「壁には舞台写真が一杯」な部屋に主にネッシーさんを飾っておりました。今の部屋はフレームとかをかけるところがないので、その昔俺様が苦労して作った舞台写真フレームさんたち(RSCのやつだとそのシーンのセリフまでプリントアウトして台紙に貼ってましたがな)は倉庫か宝箱にあるんですが、チェスターの家では、舞台俳優さんとかのフレームばかりあったので母者に「気持ち悪い」と言われておりました。
あと珍品というと、これこそ純(?)イギリスのミュージカル、とも言えるMe and My Girl のパンフに、ウタコさんが載ってるてことですかね。世界各国のミーマイ公演のキャストたち、てとこに載ってるんですけど、
浮きすぎ。(爆)こりゃあ現地のえげれす人が見たら日本のキャストについてどう思うんだろう、て感じでした。多分、あのトップ2人の写真が「メイクが変だ」とは思っても、
どちらも女性てのは思いつかんだろぉなあ。
気がつくと結構、海外公演をしておるヅカですが、イングランドには94年あたりに花組が来ました。トップはヤンさん(安寿ミラ)だっけな。それにあたって、ヅカという不思議な組織、そしてファンの現象について色々特集とかやってました。歌舞伎の女形はそう不思議ではないけど、その逆ていうのはさすがにえげれす人も面白いと思ったんでしょうねえ。俺様ん家がとっていたデイリー・テレグラフ(超保守的と言われるが、タイムズやインデペンデントよりは1億倍はマシ)の日曜版についてくるマガジンでも取り上げられてました。この時の「えげれす人が見たジェンヌの男役さん」は
ネッシーさん。爆笑しました。「確かにステージメイクをした彼女はマンガに出てくる"女性の理想の男性"のようだった」て、アンタらいつの時代の漫画のこと言うてるんか知らんけど、どっちにせよ適材な人物見つけよったな、さすがはチャールズ・スペンサーをお抱えにしている新聞だ、などと妙なことでベンモントさんは感心していたとか言います。
そんなこんなでとても短い間、ヤイヤイとヅカヅカしていた俺様ですが、やはり大学進学もあったし、前述のように連帯感のあったトップさんが続々と退団していったこと、カナメ→天海に見られるように実力より人気か?みたいな疑念が生じたことからヅカから離れてしまいました。震災の前にじかに大劇場に行ってるハズなんで、今の大劇場がどんなんかなーんて全くサッパリです。ただ、この時のヅカ観劇から俺様が以来数年に渡って書き続けることになるTheatre Review が始まったのは確かです。でも不思議と出待ちとかしたいとか思ったことないですしね。(出待ちて怖いんであまし好きやないんですよ…イギリスでも大好きな舞台俳優さんの出待ちはしたことありますけど、どっちも恐怖体験でしたがな)。やっぱり「俳優さん」に対する観念ていうのはえげれす人でも日本人でも同じって感じですかね。舞台やカメラの前を離れたら普通の人、ていうのが俺様にはつよーくあります。なんでかは知りませんが。だから出待ちはよっぽど好きな俳優さんにただただ「今日の○○は感動しました」て言いたい時だけやります。まあ、ヅカに限って言うとネッシーさんに「えげれすに来ませんか」とか、マリコちゃんに「マリコさんの歌はたまーにごっつ感動します」とかいう失礼千万なレターを書きたくなったことはありますけどもね。ええ、ええ、ええ。
それはともかく、現在でもネッシーさんとゆー方は面白い方に変わりないことに安心しております。ネッシーさんのHP(興味ある人は自分で探しましょう)はちと更新が途絶えてますが、この人が書くことはオモロすぎです。特に某コーナーにある「ベルばら2001によせて」は爆笑必死です。いやあネッシーさん、娘役やりたい、やりたい、て結構やってるやないですか。(ネッシーさんはそもそも娘役になりたくてヅカに憧れていたのだが、その意に反して身長が伸びすぎ、希望を言ってもまったく相手にされにない程にの男役になってしまった為、「アポロンの迷宮」でその念願を強引に叶えるというか、いきなり「女」に変装するシーンがある。性格的にもビジュアル的にもネッシーさんを「男」としてしか見ていないベンモントはその時、マジ怖ぇぇえ!と思ったとかいう)。
それにしても「ベルサイユのばら2001」前夜祭のOGとしてゲスト出演て、アンタね!(鳥肌)。突発的にOGとして出てきはるのはこの間(ちゅーてもだいぶ前かな?)の「なんか皆で昔のヅカを懐かしむ」番組に出てたりしてたから、十分理解しましたけどもね。
そんなこんなでシアター・ゴーワーとして蓄積させたブツは数え切れないほどございますが、ロジャー・アラム様がRSCで「マクベス」の主役やるくらいの俳優さんになったことや(このお方はもともと「レミゼ」ロンドンキャストのジャヴェール役であることからも判りますように、脇役としてごっつい輝く人だったんです)、大学進学、そしてロンドンの演劇界が観客をナメはじめたこと等の理由から、えげれすでも少し演劇から遠のいた時がありました。グラスゴーではもっとトロン劇場に行けばよかったなあと今では思います。それでもグラスゴーには「メイフェスト」という文化的にバタバタしている5月がありまして(笑)、まさかエディンバラのフェスに対抗してるとは思いませんが、この頃よくトロンシアター・プロデュースの劇なんかを見に行ったりしました。スコットランドはスコットランドでRSAMD(Royal Scottish Academy of Music and Drama)があるので、ある意味、客の飽和状態に慣れすぎたウエストエンドよりも根性入った作品作ったりしていました。Evita が映画化されたからか、舞台版のリバイバルもありましたねえ(爆)。
グラスゴーは色んな意味でスコットランドの「真の」首都でもあるので、あの中丸さんも一時所属していたロイヤル・スコティシュ・オペラが「若い人にもオペラを」とか言いながら低資金で頑張ってました。もともとあまりオペラは好きではないんですが、大学新聞ガーディアンでも絶賛された「椿姫」は凄かったです。ミラノやパリのような豪奢さはありません、でもしっかりとしたソプラノ、イタリア語上演とあってもうNo Dry Eyes in the Auditorium (観客席は涙で一杯)というのを実感しました。俺様もオペラがあれくらい身近になればねえ?と思います。
えげれすで演劇ヲタクだったからといって別に日本人俳優に興味がないワケもなく、なぜか俺様は若松武史といふ、あの「天井桟敷」の元看板役者さんでオカマ役がやたらと素晴しいオッサンが好きだったりします。他にもカガタケ様、アニイこと生瀬勝久さんなんか大好きです。ただ日本はやはり観劇したいと思ってもお金がかかりすぎるし、マターリと観劇を楽しむ余裕もあまりない。えげれすでもいい席を取ろうと思えばそれなりにお金はかかりますが、日本ほどではありませんし、どんな形であっても学生なら絶対に半額になります。あとえげれすでは他にすることが殆どないので(笑)、演劇だけを自分のエンタメにすることが余裕で可能なんですけど日本ではそうではない。
そう、例えば、ギリシャに旅行したついでにエピドウラスの円形劇場でギリシャ語もわからんくせにソフォクレスの劇を観劇、ちゅうような精神は日本では生まれてこんのです。
そんな意味で、今のヅカもポスター見て「へー」と思うのが精一杯な感じです。もう久し振りにマターリとしてやるよ!と思ったのは7月の「レミゼ・イン・コンサート」だけかな?えげれすで英語だの学校だの受験だのテストだのと色々あったわりに、ホイホイとウエストエンドやストラトフォードに行っていた頃を思うと、ホントに精神的に余裕があるというのはああいあことだよな、と思います。でないと同時進行でヅカなんか見てるかちゅーねん。
やっぱり日本はストレス大国やなーとゆう現在の情況でございます。
そんな中、ガッコの先生に「アート(芸術)もちゃんと吸収してね!」なんて言われてもねえ…。映画見るのにも苦労する毎日やっちゅうねん。
以上、えげれすでの思い出は都合のよいことだけ思い出すことにしたベンモントさんでした。何、英語が喋れなかった頃?そんなの、今もロクに喋れねえよ!
長い戯言にお付き合い戴きましてありがとうございやんした。